先日お願いしていた、朝日新聞額絵シリーズ川瀬巴水(はすい)の第一回配布分が届いた。


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日本橋 夜明
日本橋(夜明)1940年(昭和15年)

上の作品日本橋(夜明)は全国を旅行して作品を制作したと言う巴水のシリーズの冒頭を飾るのにふさわしい旅の基点となる日本橋の夜明けの風景を描いたものである。現在は高速道路が頭上を通っている為見る影も無いが、作品が制作された当時は広く空が見え日本を代表する橋としてふさわしい堂々たる風情を表していた事が伺える。解説によると朝焼けの表現や石作りの橋の表現が新版画独特のゴマ摺りと言う摺り方で表されたおり、現代木版画に通ずる新しい芸術感覚で制作されている作品との事である。

個人的には下を流れる日本橋川の水面の微妙に緑掛かった色彩表現がとても見事で摺りの技術の確かさと奥行きを感じさせる作品であると思った。

紀州瀞
紀州瀞(とろ)1943(昭和18年)

この作品に描かれいるのは解説によると、和歌山県新宮市から奈良県十津川村にかけて、北山川上流にある瀞峡の下流側・・云々とある。紀州瀞「瀞」(とろ)とはこれも解説によると「川底が深く、流れの緩やかな場所」と言う意味だそうだ。確かに静かな川の流れに浮かぶ船から釣り糸をたれている人物が、ゆるやな時の流れを漂わせ、とてものどかな気分にさせてくれる。

また、個人的には向かって右側の岸壁を少し手前に描く事により画面に奥行を持たせ、涼しげな川面を流れる風を表現しようとした様に思え、とても清々し感じのする作品の仕上がっていると思った。