加害恐怖に囚われた経過

これからご紹介する内容は私が車の運転の加害恐怖に囚われた経過です。もし、「自分も運転中の加害恐怖に囚われている・・」と悩んでおられる方がこのページの内容をお読みになったとしたら共通する部分も多々あると思います。
その様な意味で悩んでいるのは自分一人ではないと思って頂ければ幸いです。


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私が運転中に感じるちょっとした振動で・・
「今、人を轢いてしまったのではないか・・」
などと感じ、通り過ぎたばかりの場所へ車をUターンさせ何度も確認する様になってしまったのは今から二十四、五年前の事です。

きっかけは職場の異動により配送部門に配置転換され、2tトラックを運転する様になった事からでした。それまで自分ではカギの戸締りやガスの元栓などに対して何度も確認してしまうと言う、いわゆる強迫的な性格だなぁとは思っていました。

戸締りチェック

しかし運転に関しては普通で、就職してからほぼ10年以上マイカー通勤を続けていましたし、時々ドライブなども楽しんでいました。

そんな事もありトラックの運転も「すぐに慣れる・・」とタカをくくっていました。事実一ヶ月もすると運転自体には慣れてきて、それ程苦痛を感じる事はありませんでした。

しかし・・、配送の仕事には「時間に追われる」と言う事が付きものです。お客さんへの納品時間に遅れると言う事はいくら正当な理由があったとしても、あまり許容されるものではありません。立場を変えれば分かる事ですが、お客さんにとっては5分10分待つ事も実際よりは長く感じる事なのだろうと思います。

配達遅れは許されない

そんな事もありこの頃になると、様々な事情で納品時間が遅れそうになると気の小さい私は「納品時間は絶対に守るべきだ」と考えスピードを出したり雑な運転になったりする事がありました。

そんなある日、トラックの荷台(BOX型になっていました)が民家の車庫の軒に接触してしまう・・と言う小さな事故を起こしてしまいました。

会社からは「どんな小さな事故でも警察を呼ぶように」との教育を受けていましたので警察へ連絡し現場検証をしてもらいました。現場に来た警官の方からは「こんな小さな事故をきちんと連絡してくるなんてめずらしい」と言われました。

しかし、この事故を始めとして私はその配送センターに勤務していた約一年の間に計6回の小さな接触事故を起こしてしまいました。小さいとは言え一年の間に6回の事故を起こしてしまうと運転に対する自信を失うと共に、上司や同僚からも「あいつは運転の下手な能力のないヤツ」と言う烙印を押された様な気分になってしまいました。(自分の思い込みも多分にあったと思います)

ダメなやつという思い込み

その頃から、段々と運転に神経質なり配送途中にトラックが道の小石を踏んでも「今、人を跳ねてしまったのではないか・・」と感じる様になってしまい、そう感じた場所まで戻って確認する・・と言う行為を繰り返す様になってしまいました。

そうなってしまうと「確認する」と言う余計な時間が掛る様になり、納品先への配送はさらに遅れる事になります。「これではお客さんや会社に迷惑を掛けてしまう・・」そう思い詰めた私は異動後一年で再度の異動を申し出ました。

幸いにして上司が理解ある方だったので希望が受け入れら、他部署への異動が叶いました。「これで仕事で運転する事はなくなる」と思い内心ほっとしたのですが・・しかし実際は期待に反して確認行為は収まるどころか以前よりもひどくなる一方でした。

他部署に異動して一年が過ぎ、二年、三年と経過しても一向に運転中に感じる不安は消えません。それどころかプライベートな用事で自家用車を運転していても強い不安に襲われる様になってしまいました。

「このまま一生治らないのだろうか・・」

むなしい焦燥感を抱きながらそれでも運転を続けていました。「いっそ一切運転をやめたい」とも思いましたが住んでいる地域の事情や家族に強いる不便さを思うと運転をやめる事もできませんでした。(今ではやめなくてよかったと思ってします)
そんな事で症状の波はあるものの月日が流れていき、恥ずかしい話ですが何とか最低限の運転をする日々を過ごし現在に至っています。
 


以上、私が運転中の加害恐怖に囚われてしまった経過でした。ここまでお読みいただいて何か共通の経験や意識はありましたでしょうか?
現在に至るも最低限の運転のみで過ごしている・・と書きましたが、実はその後、認知行動療法という心理療法を受けまして、現在は少し気分が楽になっています。

ただ「完治したのか?」と聞かれれば正直な話、「70%位は解消したかもしれない・・」とは言える状態です。
しかし私の様に長い間、悩んできた人間でも70%程度は楽になれる・・と言う見方も出来るので認知行動療法はけっして効果の無い療法と言う訳ではないと思います。