斎藤 清 霊峰 夕映え
題名 霊峰(夕映え) 1986(昭和61年)年制作 斎藤 清
 
読売新聞・額絵シリーズの十回目の配布は斎藤 清池田満寿夫です。今回は両作品とも版画作品になっています。
 
大胆に簡略化された富士山と夕焼けの紅に染まる雲、斎藤清の木版画の特徴であるグラフィカルでダイナミックな省略がいかんなく発揮された名作です。
 
日本の得意とする伝統的木版画の技術と現代のモダニズム絵画のもつダイナミズムがこの斎藤清と言う版画家の中で融合し、科学反応を起こし、見事に結実したのが本作品「霊峰(夕映え)」だと言えます。その斎藤の斬新さは世界的にも注目されていましたが、国際的に注目を浴びれば浴びる程、版画家自身はかえって日本を意識したそうです。そんな片鱗がうかがえる逸品でもあります。
 


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池田満寿夫 二重富士
題名 二重富士 1996(平成8年)年制作 池田満寿夫
 
富士山のイメージが上下に繰り返し描かれいる池田満寿夫のこの作品は「二重富士」と言うタイトルです。このモチーフを繰り返すと言う特徴は池田の作品の中で度々見られます。
 
「エーゲ海に捧ぐ」で芥川賞を受賞した経験を持つ池田は著書も多く、管理人も若い頃読みました。その中で池田はこのモチーフの繰り返しについて大量生産の工業品をやはり繰り返し描いた、ポップアートの影響を語っていました。
 
ポップアート日本の伝統を象徴する富士。この二つの融合が池田が作品を通じて放ったアイロニカルなメッセージに思えてなりません。