日月山上湖秀峰富士 絹谷幸二
題名 日月山上湖秀峰富士 2007(平成19年)年制作 絹谷幸二
 
読売新聞・額絵シリーズの十一回目の配布は絹谷幸二平松礼二です。今回は両方とも平成に入ってから制作された作品です。
 
最初にご紹介する絹谷幸二「日月山上湖秀峰富士」はフレスコ画の技法などを駆使し描かれた絹谷独特の造形で描かれています。
 
この作品の風景は画面下部の湖の左側の赤い鳥居の形からすると箱根・芦ノ湖から富士山を望む風景を描いたものだと推察されます。
湖に浮かぶ可愛らしい帆船は観光船でしょうか。そしてその湖の周りには小さな建物が点在し人々の賑わいを感じさせます。しかしそうした賑わいと対比させる様に月と太陽そして富士山が大自然の力を象徴する存在として雄大な姿で描かれています。
 
こう言った絹谷幸二の表現は自然との対比を通して、日常我々が忘れている「自然への畏怖」をもう一度思い出し、その力を知るべきでは?とそう問いかけている様な、そんな感じを抱かせます。
 


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すすき図 ジャポン 平松礼
題名 すすき図 ジャポン 2003(平成15年)年制作 平松礼二
 
遠景の雪を頂いた富士。中景の様式化された波。そして近景の溢れんばかりのすすきの群生。この様な構成からはこの作品が日本の伝統であるやまと絵のコンポジションを基本にしている事が強く伺えます。
 
平松礼二はそうした日本美術の伝統を踏まえつつ、かつて印象派の画家たちに大きな影響を与えたジャポニズムの源流を制作を通して再発見しようと試みています。
 
この作品においても溢れんばかりのすすきの穂に注目し、その画面をじっと見ていると具象的なイメージをはなれ抽象的なイメージ近づいて行く様なそんな錯覚を覚えます。それは、かつてモネの睡蓮が具象を突き抜け抽象的世界に至った事と符合しており、画家自身が辿りついたジャポンの再発見であるとも言えるでしょう。