ジョアン・ミロ・・・無垢な色彩とフォルム

ミロ(ジョアン・ミロ)1893-1983 スペイン
 

(絵をクリックするとオールポスターズ販売画面に飛びます。)
青II
ミロはシュールレアリスム宣言で有名な詩人ブルトンによると、
「最もシュルレアリトらしい画家」と言われているそうですが、リアルなタッチで描くダリやマグリットとは異なり子供の様な自由さで描くミロの作品は「イズム」の枠では語りきれない奥深い魅力を持った画家だと言えます。
 
上の作品「青II」などみると、シュルレアリスムと言うよりも、何か「禅」の世界に近い奥深いものを感じます。海の様な深みを持った青の背景に突如として現れる赤の線。日本庭園の枯山水に置かれた岩の様な丸い黒のフォルム。大変爽快で大胆な作品です。
 
しかし、ミロの作風が突然こうなったのでは無く勿論色々な試行錯誤を経て徐々に自由奔放さを獲得していったようです。
 

カタロニア風景(狩人)
上の作品は1923~24年の制作だと言いますのでミロ30歳頃の作品です。文字や記号、簡略化された目や円錐で構成されています。シュルレアリスムにはオートマティズム(自動記述)と言う手法があり、自由な連想で思い付くものを描いていくと、人間の無意識が表現出来るという手法なのですが、この作品など見るとどうもその様な概念に沿って描いた様な印象を感じます。そう言う意味では、まだまだ後年の自由さは無くやや硬い印象があります。
 
また、下の作品はオランダ旅行で目にした17世紀頃の風俗を描いた作品「リュート弾き」1661年ヘンドリック・マルテンス・ソルフ作の作品が下敷きになっています。
 

オランダの室内I
原作と並べるとその違いが面白いのですが、残念ながらオールポスターズではヘンドリック・マルテンス・ソルフの作品はありませんでしたのでここでは比較する事は出来ません。しかし、資料で見比べてみると確かに構成や個々のモティーフは似ています。
 
ミロの絵は一見すると最初から自由奔放に描いている印象がありましたが、この様に独自の造形的な組立を経て絵画を構成しているのだと分かるエピソードを聞くと、単なる思い付きで描いているのでない!と分かり絵に深みが出る様にも思います、しかし半面やや理屈に走っているのでは?とも思ってしまいます。
やはり後年の自由さを獲得して行くにはまだまだ年月が必要だったのかなぁとも思います。
 

炎の車輪となって空の青を渡るハシゴ
しかし、上の「炎の車輪となって空の青を渡るハシゴ」と言う良く分からないタイトルが付けられた作品の頃になると、「自由・奔放・無垢」と言う言葉がピッタリの造形になった来る様です。制作年代を見ると1953年ですからミロ60歳頃の作品です。
 
奇妙な生き物の様なキャラクターが無邪気に遊んでいる様にも見えます。ミロは90歳まで生きましたが、普通の人間は年齢を重ねて行くに従って、「常識」やら「責任」で頭がどんどん硬くなったいくものですが、ミロの様な芸術家は歳を経るに従いより自由になっていくと言う方々が多い様に思います。羨ましい限りです!
 

1968年5月
最後にご紹介するのが、ミロ80歳の作品です。明らかに黒い絵具を画面に撒き散らした様な描き方です。しかし、それにはちゃんと制作上の意図があります。この作品のタイトル「1968年5月」にパリで起こった学生暴動への追悼と言う意味が込められいるからです。暴動と言う混乱やエネルギーを絵具を撒き散らす様な描き方で表現した!と言えるのではないでしょうか。
 
それにしても、80歳を越えてもこの様な作品を描けるバイタリティーにはさすがは巨匠と言われる大画家だと思います。
管理人も出来れば歳をとる程自由を獲得したい!と思わせてくれる素晴らしい画家だと思います。
 
オールポスターズのミロ作品一覧


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