印刷物を描く画家・・・ロイ・リキテンシュタイン

リキテンシュタイン(ロイ・リキテンシュタイン)1923-1997 アメリカ
 

(絵をクリックするとオールポスターズ販売画面に飛びます。)
ボールを持つ少女
リキテンシュタインはアメリカンコミックの一コマを一枚の絵画作品として描く画家として有名です。この「ボールを持つ少女」と言う作品はコミックの一コマではありませんが、ニューヨークタイムズの新聞広告の写真を元絵としてコミック風に描いた作品です。
 
よく見ると少女の顔や肌の部分は、ドットを丁寧に描き込んで表現しています。これは印刷物の特徴でもありますが、わざわざ手描きでそれを再現しています。それは無個性に大量生産される工業製品としての印刷物へのパロディーなのかもしれません。
 

オ…オーライト…
それから、2年後の作品です。制作年は1964年、当時のアメリカではごくありふれたコミックの一コマであったのでしょう。その一コマを油彩画として仕上げた作品です。作品のタイトルも吹き出しのセリフそのままです。
 
リキテンシュタインはこの様に大量で、ごくありふれたイメージを作品のモティーフとして描きました。それらはオリジナリティが重視される芸術作品に対する反芸術であり、従来の価値観への強烈なアンチテーゼでもありました。
 

Reflection
また、リキテンシュタインのそうした制作活動は「画家が描く」と言う行為そのものの在り方を問い直す方向へと向かいました。
この作品「Reflection」と言う作品においてはペイティングと言うタッチそのものをコミック風に描いています。
 
ラフで自由に描くはずのペインティングのタッチをコミック風に描いて見せる。それは「描く」と言うホットな行為そのものを突き放し、クールな視点から捉え直そうとした試みであったのかもしれません。また、「描く」と言う行為そのもののパロディであるのかもしれません。
 

Against Apartheid
しかし、この「描く」と言う行為そのもへの問いはこの「Against Apartheid」と言う作品になると今度は画家自身が描いた生の筆後とパロディとしてのペインティングが混在した作品へと発展します。
 
こうなると、始めに制作した自分自身の作品へのさらなるパロディが込められていて、360度回って元に戻った様な、どこまでもアイロニカルな迷宮に迷い込んでしまった感じがします。
 

日本の橋睡蓮
さらに、リキテンシュタインのアイロニーは、所謂「名画」のパロディーへと向けられます。この作品「日本の橋睡蓮」は明らかに印象派の巨匠、モネの作品のパロディーでもあります。
 
この様に、リキテンシュタインの作品に一貫して流れているのは、アイロニーやパロディを通して表現する、芸術そのものへの「問い」であると言えます。それは、過去の出来上がってしまった価値観への疑いでもあるし、結果として現代の卑俗と思われている我々の身近な文化も視点を変えれば時代に呼応した立派な「芸術」たりうる。との主張であるのかもしれません。
 
オールポスターズ・リキテンシュタイン作品一覧


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